凹んだら読む本_第三章(16)

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『凹んだら読む本』_第三章(16)2022.1.20

16.凹んだ夜は クラシックを聴く!

「4拍ずつ」の呼吸に合った音楽は、心臓の鼓動 を1分間。拍のゆっくりしたリズムに誘う


凹んだときは、好きな音楽を聴いていると、心が和みます。
あなたはどんな音楽が好き ですか?
リラックスするには、とくにクラシック音楽がいいといわれます。
クラシック音楽は中世ヨーロッパで生まれ、その伝統を受け継いだ音楽。
代表的な作曲家では、バッハ、モーツァルト、ベートーベンなどが挙げられます。

人がリラックスして精神が安定しているときに特徴的に表れる脳波としてよく知られている「アルファ波」。
脳波をアルファ波状態に導くには、いろいろな方法がありますが、いちばん手っ取り早い方法が音楽を聴くこと。

音楽は人間の潜在意識に働きかけて、特別な心理的・生理的状態を起こさせます。
クラシック音楽とくに18世紀のバロック音楽は、アルファ波を誘発させて精神を落ち着かせるといわれています。
またこの脳波状態を導くためにつくられた「アルファ波音楽」と呼ばれる楽曲もあります
(巻末にアルファ波音楽第3章凹まない「夜」の過ごし方の無料ダウンロードのご案内もありますので、ぜひ試してみてください)。

なお、1分間の60拍、4分の4拍子のリズムの音楽を聴いていると、
アルファ波状態になりやすいことが、多くの実験から明らかになっています。
1分間の拍は安静時の心拍数のリズムのため、このリズムの音楽を聴いているとリラックスしやすいというわけです。

では、なぜ音楽が人間の潜在意識に作用するのでしょうか。
みなさんも人間の大脳が左脳と右脳に分かれていることはご存じでしょう。
人間の右半身が知覚した情報は左脳に伝わり、左半身が捉えた情報は脳で受け止められ、
左右2つの脳の情報は大脳の最下部にある脳梁という神経線維の束を通じて交流しています。

この左脳と右脳がそれぞれ異なった役割を分担していることは、
1981年カリフォルニア大学のロジャー・W・スペリー博士による脳梁切断実験と片脳切除実験によって明らかになりました。
そして同博士は、それまで謎に包まれていた右脳の働きに光を当てた功績によって、その年のノーベル賞を受賞しています。

脳梁切断と片脳切除はどちらもてんかん患者の治療のため行う手術で、
脳梁切断は脳と左脳を結ぶ脳梁を切断し、片脳切除は左右いずれかの脳を切り取ってしまうもの。
スペリー博士は、これらの手術を受けた人たちを対象にいろいろな実験を試みました。

その結果、多くの人で、左脳は「理性の分野」と密接な関係があり、
主に理論的分析的・計算的・言語的・観念的な領域を受け持つことがわかり、一方、右脳は「創造性の分野」に深く関与し、
主に直観力や感性といった領域、すなわち図形的・音楽的・空間的な分野を受け持っていることを突き止めました。

右脳は潜在意識の領域の大半を受け持っているといわれています。
音楽的分野は右脳が司っているわけですから、
耳から入った音楽は右脳に入り自然に人間の潜在意識に作用するというわけです。

われわれは、日常生活ではどうしても脳に偏った脳の使い方をしてしまうことが多く、
とくにパソコンで仕事をするときは脳偏重になり、そのために脳が疲れていることが多いのです。

クラシック音楽やアルファ波音楽は、右脳を刺激することで、
結果的に疲れた左脳を休ませる効果があるといわれています。
アルファ波音楽には、忙しい毎日の中で、過敏になっている神経を休ませる働きがあります。
それだけではなく、アルファ波状態のときは、いろいろなことを覚えやすいのです。
脳をリラックスさせることは、凹んだときに効くだけでなく、
ものを覚えるなど、脳の力を発揮させるときにも有用なのです。
リンパ系ホルモン系の働きをコントロールし、自律神経と深く関わっています。ストレス気味のと き、凹んだときにはぜひ刺激してみてください。
小指には「心経」と「小腸経」の2本の経絡が通っています。心経は心臓と血液循環器 に関連する経絡です。心経の始点のツボは、爪の薬指寄り生え際にある「少衝」です。小 腸経は小腸の働きをコントロールする経絡です。小腸経の始点は、小指の爪の外側の生え 際にある「少沢」です。
このように、各指の爪の生え際には、私たちの各臓器をコントロールするッボがあり、
疲れたときには、腹式呼吸をしながら、各指の爪の生え際を人差し指と親指で刺激をする
ことで、頭をすっきりさせることができます。 ツボ押しは、通勤中や休憩時間などに簡単に行えます。一つひとつのツボの効果を確認
しながら刺激することも大切ですが、そんなに難しく考えなくても、ちょっと疲れたら、
手の指の爪の生え際を刺激すると、元気になれます。私自身もよく電車の中で、指の爪の
生え際を刺激しています。
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