凹んだら読む本_第二章(11)

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『凹んだら読む本』_第二章(11)2021.12.17

11.「朝にバナナ」の習慣が滅入る気持ちを遠ざける

バナナは神経伝達物質「セロトニン」の材料にな り、精神安定にも便秘解消にもいい食べ物

みなさんは、朝食に何を食べていますか。
朝ごはんをしっかり食べられる場合はもちろん、寝坊して朝食が摂れないときも、バナナを食べるのはおすすめです。

うつ症状は、先ほども触れた神経伝達物質の「セロトニン」が不足することが原因だといわれています。
うつの直接の原因はストレスなのですが、ストレスを受けたとき、うつの症状と密接に関係するのが、この物質なのです。
セロトニンは、第1章でもお話しした、快楽を司る「ドーパミン」や、気力・意欲や怒り・不安などの感情を起こす「ノルアドレナリン」といった神経伝達物質の暴走を抑え、心のバランスを整える作用があり、これが不足すると、精神のバランスが崩れ、突然キレるなど暴力的になったり、うつを発症したりするといわれています。
またセロトニンは、ストレスを受け続けることで働きが弱まり、やる気がなくなったり、疲れやすくなったりといった症状を引き起こします。
凹まないためには、セロトニンの働きを活発にすることが大切。
セロトニンの材料となるのは、必須アミノ酸のひとつである「トリプトファン」です。


必須アミノ酸は、体内では合成できないので、食べ物から摂る必要があります。
トリプトファンを含む食べ物や、セロトニンの生成に必要な「マグネシウム」「ビタミンB6」 などが不足しないようにしなければなりません。
トリプトファンとマグネシウムを含むむ食べ物には、次のようなものがあります。

●トリプトファンを含む食べ物・・・ごま・ヨーグルト・プロセスチーズ・納豆・赤身魚・ そば・バナナ・豆乳・白米・肉類など
●マグネシウムを含む食べ物・・・バナナ・ナッツ類・ドライフルーツなど

トリプトファンとマグネシウムを含むバナナは、凹んだ心の改善にとても役立ちます。
もちろんバナナでなくとも、食べたいものを食べれば幸せな気分になり、セロトニンは活発には働きます。
ですが、とくにバナナはそのまま皮をむくだけで簡単に食べられるので、凹んで何もする気がないとき、何も食べる気が起こらないときにもいいのです。

また、バナナは、食物繊維が豊富で便秘解消にいいといわれます。
食物繊維には、不溶 性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、どちらも腸内の「善玉菌」である乳酸菌やビフィズス菌の栄養となって、これらを増やしてくれます。
とくに水溶性食物繊維は、水に溶けるとゲル状になり、腸内で余分な脂質(コレステロール)を吸いつけて包み込むこ とで、便として体の外へ排泄してくれる働きもあります。

バナナは不溶性食物繊維が豊富ですが、この水溶性食物繊維も含んでいます。
要するに、2種類の食物繊維のどちらも含んでいるわけです。
青みがかったバナナには、食物繊維と同じ働きをする難消化性デンプンが多く含まれていますので、便秘に悩んでいる人は、バナナの中でも青めのものを食べると、整腸効果が 期待できます。
また熟したバナナには、「ポリフェノール」が多く含まれています。
ポリフェノールは脂肪の吸収抑制、血圧低下、老化抑制、がんの予防、美白効果などの作用が報告されています。
積極的にポリフェノールを摂るなら熟したバナナがおすすめです。

忙しくてバランスのいい食事が難しい人や、体調管理に不安を感じている人は、バナナを積極的に食べてみてはいかがでしょうか。便秘解消にも精神安定にもバナナは効果的。
「朝にバナナ」の習慣は、滅入る気持ちを遠ざけます。
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