凹んだら読む本_第二章(8)

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『凹んだら読む本』_第二章(8)2021.11.25

8.凹まない朝と昼の習慣

目が覚めたら、 まず外に出てみる。
朝、太陽の光を浴びることで、体内時計が調整 され、精神も安定する


あなたは朝、ベッドから起きたら、まず何をしますか。
眠れなかった朝。あなたはどうしますか。
「今日は休日」という日はもう一度寝ますか。
眠いんだけど仕事に行かなきゃいけない日は、のろのろ起きますか。

凹んでいるときは、寝ていても心が休まらず、ときどき目が覚めてしまうという人もいます。
眠ったのか、眠らなかったのかよくわからなくて、頭はぼーっとした状態...。

そんなときは、思い切って外に出てみましょう。

頭くしゃくしゃのパジャマ姿でもOKですが、まわりの目が気になるなら、顔が隠せるような、目深にかぶれる帽子をかぶって、パジャマがすっぽり隠れるコートを羽織っても いいでしょう。
「家はアパートだから、庭もないし......」。
だったら、近くの小さな公園にちょっと足を伸ばしてみませんか。
朝の空気がいつもと違うと感じるでしょう。

寒い冬の朝は空気が凛としています。少し暖かくなってきたころは空気が緩んで春の匂 いがします。
暑い夏でも朝は爽やかです。秋は空気がしっとりしていて心が和みます。
そんな朝の空気の中で、思いっきり伸びをしましょう。


朝は「プラーナ」に満ちています。
プラーナとはサンスクリット語で「呼吸」や「息吹」を意味し、インド学の中で「宇
宙のエネルギー」と定義されています。
山や川、滝や草木、その他の鉱物など、森羅万 象に存在し、私たちの心身に大きな影響を与えているといいます。
そのプラーナを、深呼吸して思いっきり取り込んでみましょう。

また、朝日の光は、体内時計を調整します。
生物は、地球の自転による24時間周期の昼夜の変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内 環境を積極的に変化させるしくみを体の中に持っています。
この約24時間周期のリズムは「概日リズム(サーカディアンリズム)」と呼ばれます。
このリズムは、光や温度変化のない条件で、安静を保った状態でも生じることから、生 物は体内に時計のようなしくみをもっていることが明らかになり、これが体内時計(生物時計)と呼ばれています。
私たちは本来、毎日ほぼ同じ時刻に眠り、同じ時刻に目が覚めるのです。
このような規則正しい睡眠リズムは、疲労などによる「睡眠欲求」と、体内時計に指示
された「覚醒力」のバランスで形づくられています。
でも、とくに現代は、不規則な生活や心配・不安といった心の悩みなどから、睡眠リズ
ムが狂ってくることもあります。
当然、凹んでいるときも、睡眠リズムが狂いがち。
そうした場合でも、朝日を浴びることで体内時計がきちんと調整され、体が自然に覚醒するのです。

また、朝、太陽の光を浴びると、それだけで「これから元気に仕事に出かけよう!」と いう気分になります。
これは、目から入る朝日の光が刺激となって、脳内で神経伝達物質の「セロトニン」の働きが活性化されるからです。
セロトニンは人間の精神面に大きな影響を与え、心身の安定や安らぎをもたらす物質の一つといわれています。

このように、外に出て深呼吸をし、太陽の光を浴びて体を覚醒させたら、生理的にも凹んだ気持ちが吹っ飛びます。
眠れなかった朝でも、思い切って起きて、ぜひ、外に出てみてください。