凹んだら読む本_第一章(4)

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『凹んだら読む本』_第一章(4)2021.10.29

4.月に1回、自分の「好きなところ」を挙げてみる

「自己肯定感」を上げていくことは、結局は自分にとってもいちばん得になる

凹んでいるときは自分が好きになれません。
「また、仕事でミスしちゃった」「商談がうまくいかなかった」「また、彼女に振られた」「やっぱり俺ってダメなんだ」「私ってダメなんだ」 そんなふうに考えていませんか。

私は仕事柄、「自分が好きになれない」という人にもたくさんお会いします。
そんなとき「なんてもったいない」と思ってしまいます。

そうした人は、なぜ自分が好きになれないのでしょうか。
その原因は、これまで生まれ、育ってきた歴史の中にあるのかもしれません。
両親の期待が高く、いつもいい点鍬を取ることを求められたり、いい子でいることを期待されたりしていたのではないですか。
それに自分が適合できないと、「自分はダメだ」「私は価値がない」という思いに駆られてきてしまったのではないでしょうか。

私のもとに相談にいらっしゃる人たちの中には、お父さんかお母さんに、ときにはご両一親に伴われて来られる方も多くいます。
うつや引きこもりになっているお嬢さん·息子さんを連れて来られる親御さんの中には、話しぶりや実際に話されている内容から、学歴が高く、エリートサラリーマンに違いないという風情のお父さんや、
優しそう、面倒見のよさそうなお母さんもたくさんいて、「こんなご両親に育てられたら、きっと素晴らしい子どもになるだろう」と思われる人たちが意外なほど多いのです。

しかし、経済的にも恵まれ、何不自由なく育ってきたであろう、そうした人たち(30代·40代が多い)がいま、心の不調に悩んでいます。

そうした人の多くは、自己肯定感や自己効力感が低くなってしまっているのです。
両親が立派すぎて、親を超えられない。あるいは、いくつになっても親に認められないという「自己肯定感の低さ」が心を蝕んでいるように思えます。
結婚して、子どももいるのに、「実家に帰ると、いまだに親に認められていない」と泣いていた女性もいました。

とはいえ、親は親なりに、子どもを大切に思い、立派になってほしいと願っているだけ。
「親に認められない」あるいは「上司に認められない」などと他人の評価ばかりを気にせず、自分らしく生きることが、結局は自分にとってもいちばんいいのです。
失敗したり、うまくいかなかったりしたときは、今度がんばろうと思えば、それでいいのではないでしょうか。
まず、自分の「いいところ」「好きなところ」を挙げることで、自己肯定感を高めてあげることが大切です。

そのためには、定期的に自分の「好きなところ」を挙げて、自分自身への肯定感を育ててください。
月に1回でもかまいません。
忘れないように給料日の5日、自分へのご褒美として、ちょっと奮発して、おいしい料理を食べながら、お酒が飲める人ならお酒を飲みながら、自分の「好きなところ」を考えてみましょう。
自己肯定感は今日·明日でいきなり高まるものではありませんが、少しずつでいいですから、「自分を好きになる」ための
ちょっとした行動を重ねていきましょう。
自分で自分が好きなタイプの人は、凹んでも立ち直りが早いのです。
生きていく原動力は、自己肯定感にあるといえるかもしれません。

誰も「他人の人生」を生きることはできません。
逆にいえば、あなたの人生は、ほかの誰のためでもなく、あなたのための人生なのです。
いまは自分を100%は肯定できなくても、5%、0%でもいいのです。
どうか、自分の「好きなところ」を見つけて、自分のことを好きになってあげてください。