凹んだら読む本_第一章(2)

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『凹んだら読む本』_第一章(2)2021.10.14

2.とりあえず「いちばん好きなこと」をやってみる

凹んだときは「人間の頭は、一度にひとつのことしか考えられない」ことを利用する

あなたにとって、いちばん好きなことは何ですか。
何をしているときがいちん楽しいですか。

凹んだときは、心が沈み込んで、悪いほうへ悪いほうへと考えていませんか。
そして、ますます苦しくなっていませんか。
そんなとき、自分にとっていちばん好きなこと、好きだったことを考えてみましょう。

人間の思考は、一度にひとつのことしか考えられません。
どんなに凹んだときでも、いちばん好きなことを考え始めると、凹んだことを考えることができないのです。
思考の転換を図るためには、凹んだ理由や漠然とした恐れ、悩みから離れるために、
あなたにとって「いちばん好きなこと、楽しいこと」を考えることです。

当たり前ですが、苦しいことや辛いことを考えるより、好きなことや楽しいことを考えるほうが、ずっと気持ちが楽になります。


人生は辛く苦しいものだと考えている人がいます。その考え方はいつから始まったのでしょうか。
誰から教わってきたのでしょうか。子どものころは何も考えずに毎日過ごしていたのではないでしょうか。
あなたは子どものころ、何をして遊んでいましたか。

何をしているときがいちばんワクワクしていましたか。

楽しいこと、好きなことを考えるだけでも、脳から「ドーパミン」という物質が分泌され、やる気が出てきます。
ドーパミンは中枢神経系にある神経伝達物質です。
とくに前頭葉に分布するものは、脳の中で快感などを生む「報酬系」と呼ばれるしくみなどに関与していて、
何かをする意欲や動機、あるいは学習などに重要な役割を担っているといわれています。

報酬系のドーパミンを分泌させるためには、たとえば、カラオケで好きな歌を歌うこともひとつの方法。
ここで大切なのは、「自分の好きな歌を歌う」ということです。
好きな歌を歌うと、その歌への感情が脳内を活性化させるのです。

おいしいものを食べることも効果的。
おいしいものや自分の好きなものを食べることで、脳が満足して、ドーパミンが分泌されるのです。

要は、何かをして、ご褒美を与えられると、脳内でドーパミンが放出されます。
好きなこと、何か「自分に小さなご褒美を与える」ということを実際に行えば、脳内でのドーパミンの分泌が増えるのです。

あなたの好きなことは何でしょう? カラオケや美食のほかにも、たとえば犬と遊ぶこと、
ショッピングすること、模型飛行機を飛ばすこと、本を読むこと、旅をすることなど、
人によってさまざまな「好きなこと」があるでしょう。

とりあえず、「いちばん好きなこと」を、できることからやってみましょう。

私はもともと国際線のキャビンアテンダントをしていましたが、
それは現在の肩書であるスポーッ医学博士とは結びつかないと思います。

私はそのときそのときで、好きなことをやって、好きなことを勉強してきて、結果的にそうした学位まで取ってしまいました。
人生は山あり谷ありです。凹むこともありますが、つらいときばかりでもありません。
だからこそ、凹んだときに凹んだ状況からいかに抜け出すかがポイント。
そのためのキーワードの一つが「好きなこと」 なのです。
あなたはいま、どうなりたいと思っていますか。どうしたいと思っていますか。
どんな人にとっても、人生は楽しむためにあるのです。
凹んで苦しむためにあるのではありません。
好きなこと、楽しいことを考えてみましょう。

そして、やってみましょう。